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法人税 法人税重要事例検討:令和の判例・裁決例―39

 税理士 古川 浩二

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先月 に引き続き、法人税の実務において重要、かつ、誤りやすいと思われる事例について検討します。

今月は「退職金」について取り上げます。

Q1 分掌変更により支払われた退職金が税務上の退職給与に該当するか否か

当社(以下「A社」といいます。)は、本社近隣の製鉄メーカーで発生する鉄屑を購入し、加工し、製鉄メーカーに納入している、同族会社である5月決算法人です。

D(以下「役員D」といいます。)は、当社の設立時取締役であり、昭和51年7月に当社の代表取締役社長に就任しました。また、役員Dの長女であるBは、平成28年1月に当社の代表取締役に就任しました。

役員Dは、平成27年8月及び令和元年7月に病気を発症し、そ...