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税金裁判の動向【今月のポイント】第275回 外貨建取引に係る為替差損益の所得課税

青山学院大学法学部 准教授 道下 知子

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所得税法が採用している包括的所得概念のもとでは、人の担税力を増加させる経済的利益はすべて所得を構成し、現金の形をとった利得のみならず、現物給付・債務免除益・為替差益等の経済的利益も課税対象となると解されています。

近時、個人の海外資産投資の拡大に加え、為替相場が円安基調で推移していることから、外貨建資産について相当規模の為替差益が生じる可能性があります。この為替差損益に係る課税については、実務上問題になることが多く、裁判で争われることも少なくありません。

今回は、複数の外国預金口座において保有していた外貨により米国所在の不動産を米ドル建てで購入するという外貨建取引について、その為替差益に係る所得が...