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Selection Q&A CASE 2 取締役の利益相反に関する規制と実務上の留意点

中村・角田・松本法律事務所 弁護士 松下 隼人

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会社の利益と取締役個人の利益が相反する取引には、取締役が自己の利益を優先することにより、会社の利益が毀損されるリスクがあります。また、会社に損害が生じた場合には、取締役が事後的に責任追及の対象となるリスクもあります。

本稿では、利益相反取引及び競業取引に関する会社法上の規制の概要を整理した上で、これらのリスクを低減するために、どのような点に留意して審議を行うべきかなどの実務上の要点を整理します。

第1章 会社法上の規制

利益相反的な取引は、役員が自己又は第三者の利益を優先し、会社の利益が害される危険性が類型的に高いため、会社法上、特別な規制が設けられています。この規制の対象となるのは、「利益相反取引...