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税金裁判の動向【今月のポイント】第279回 逓減消失控除方式になった基礎控除の違憲性
広島修道大学法学部 教授 奥谷 健
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周知のとおり、所得税の基礎控除は生存権(憲法25条)の現れとして、最低生活費部分に課税しないために設けられています。しかし、この基礎控除が平成30年の税制改正により、所得金額の増加に応じて減額し、適用されなくなるようになりました(逓減消失控除方式)。このような改正は生存権保障との関係で問題はないのでしょうか。今回はこの点が問題になった事例について紹介いたします。
事実の概要
原告は所轄税務署長(処分行政庁)に対して令和3年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告をしました。その申告において、2,500万円を超える長期譲渡所得の金額が記載されていました。そのため、当初の確定申告においては、基礎控除の適...




