税務研究会 出版局 情報室『時間がない!?消費税インボイス導入へのサクセスロード』

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今回の税務研究会出版局のオススメ書籍は、『時間がない!?消費税インボイス導入へのサクセスロード』です。著者の金子真一先生に、本書についてお話をうかがいました。

  本書を執筆しようと思った動機やきっかけは?

 消費税のインボイス制度は最終消費者以外の全ての個人事業者及び法人に関係する、影響の大きい 大変な改正ですが、未だに殆ど認識されていません。更に多くの会社では業務の多くがシステム化されており、インボイス対応でシステム開発が必要な会社は相当数存在します。残された期間はまだ2年ある、ではなく、たった2年しかないのです。 既にレッドゾーンに突入しており、この危機感を皆さんにお伝えしたいと活動してきたところ、今回書籍化という機会を与えて頂きました。

  本書の読みどころはどこですか?

 実務担当者は経営陣に、税理士事務所はクライアントにインボイス制度導入による影響を数字で説明する必要があります。消費税は採用する方法によって納税額が変わるため、そこを具体的な数字を用いて説明しました。また、法人税法上の取扱いが変わる点については仕訳で説明し、電子帳簿保存法の改正についても触れています。

  執筆にあたり苦心したことはあリますか?

 費税は単純ですが、いざ説明しようとすると、説明がとても難しい税法です。ただでさえ説明が難しい消費税にインボイス制度が付加されています。これを税の素人でも分かるように説明することは至難の業ですが、図を多用してイメージを掴みやすくし、平易な表現を心掛けました。

  どのような方に読んでほしいですか?

 税務の実務担当者及び税理士の先生を思い浮かべながら書きました。インボイス制度対応へ着手しようとしたとき、何から手を付けたらよいのか、何から整理していけばよいのかという所で手が止まります。本書がそのハードルを下げるヒントとなり、時間を浪費することなくゴールに向かうことができるよう活用して頂きたいです。

税理士 金子 真一
金子真一税理士事務所代表
合同会社ピナクルコンサルティング代表
広島大学経済学部経済守科卒業後、1992年東洋信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)に入社し、経理業務を中心に金融商品会計導入などを担当。 2002年から住友信託銀行(現三井住友信託銀行)に移り主に税務業務を担当。税効果会計から消費税の適正化、連結納税の導入によるタックスプランニング、BEPS(国際税務)対応のほか、グループの税務ガバナンス構築等を担当。東京国税局、大阪国税局の税務調査対応は源泉税、印紙税や反面調査を含め2ケタに及ぶ。
2019年10月東京都目黒区にて金子真一税理士事務所を開業。TKC会員。
現在、消費税インボイス制度の対応支援や経理システムを中心とした仕組み作り支援のほか、企業の税務人材育成に取り組む。