※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

新任社員のための国際税務の仕組みとポイント　第17回　法人税から離れて②（源泉所得税の問題）

　公認会計士・税理士　佐和　周

( 116頁)

第16～18回は少し法人税から離れて，（申告）所得税，源泉所得税，消費税といった税目を解説しています。 前回 の申告所得税に対して，今回は源泉所得税です。

前回 は，「非居住者は国内源泉所得に課税される」ということを確認しましたが，今回はその裏返しで，これを（所得の）支払側である日本企業の視点で見ていきます。つまり，日本企業が非居住者等に対して（源泉徴収の対象となる）国内源泉所得の支払いをする場合に，所得税等を源泉徴収し，納付する義務があるという内容です。

１．どのような場面で源泉所得税が問題になるか

前回，非居住者である海外出向者について，出張ベースで日本のプロジェクトへ参加している場合やコロナ禍で一時...