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先どり先よみ デジタル課税 第5回 課税権の配分に関する各国動向-7月1日公表の合意案も踏まえて-
税理士法人山田&パートナーズ 国際部 部門長/公認会計士・税理士 森口 直樹
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はじめに
これまで,経済のデジタル化の進展によって,物理的な拠点を有さなくても海外でのビジネスを行えるようになった結果,巨大IT企業の利益に対して市場国が課税できないという問題が生じているというお話をしてきました。 前回 は,その問題を解決するためのOECDでの議論の流れと,市場国への課税権の配分の問題を解決するために各国から出された3つの案について解説しました。
今回は,これら3つの案に関連する各国の立ち位置や関連する動きについてもう少し詳しく見ていきます。
OECDでの議論の流れの振り返り
多国籍企業による過度な租税回避行為(BEPS)への対応を検討する中で経済のデジタル化への対応も議論されました。そ...