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親子間契約書は必要か有用か<3>

外国法共同事業 ジョーンズ・デイ法律事務所 弁護士 井上 康一

( 36頁)

本稿では,3回にわたり,主として日本の移転価格税制の観点から,親子間契約書の必要性と有用性について検討しています。本稿の目次と掲載号は,以下のとおりです。

  • Ⅰ はじめに
  • Ⅱ 親子間契約書の国内法令上の位置付け
  • Ⅲ 親子間契約書のOECD移転価格ガイドライン上の位置付け
  • Ⅳ 親子間契約書作成の際の外国子会社所在地国の税制の考慮
  • (以上 前々号

  • Ⅴ 親子間契約書の整備のもたらすメリット
  • Ⅵ 親子間契約書の整備に当たっての一般的な留意点
  • Ⅶ 親子間契約書の整備の手順(以上 前号
  • Ⅷ 契約類型ごとの検討
  • Ⅸ まとめ(以上本号)
  • Ⅷ 契約類型ごとの検討

    1 問題の所在

    親子間契約書の持つ数々のメリットが発揮されるには,取引実態との合致と移転価格文書との整合性を確保するとともに,ドラフティング上の工夫が必要である。そして,その整備を効果的に進めるには,トップマネジメントの理解とサポートの元に,税務部だけではなく,法務部,事業部,知的財産部及び外国子会社...