実例で学ぶ 外国人雇用と海外出向者にまつわる税務・給与・社会保険 第136回 知っておきたい海外赴任者の処遇 ⑤海外赴任者規程とグローバルモビリティポリシーの考え方
EY税理士法人 税理士 藤井 恵
7.グローバルなモビリティポリシーの必要性
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最近,日本から海外に赴任する社員以外に,海外から日本本社に赴任するケースや,海外子会社の社員が別の子会社に赴任するケースが増えています。数年前にグループ全体のモビリティポリシーは作成したのですが,漠然とした内容で実用性に欠けていると感じています。 比較的規模の大きい海外子会社から,「本社でグローバルなポリシーを作る予定がないなら,こちら主導でグループ全体のものを作ることを検討してよいか」という問い合わせも受けています。とはいえ,今後もおそらく日本から海外に赴任する社員が,グループ全体の赴任者の半数を占めていると考えられます。このような状況ですが,今後どのように進めるべきでしょうか。 |
A ポリシー作成の方法としては,「日本の海外勤務者規程をもとに作成するケース」,「海外主導で全く新しいものを作成するケース」がありますが,いずれも機能性に問題が生じる可能性があります。そのため,グローバルレベルで見た際に最も人数が多い日本からの赴任者になじむ内容になることを意識しつつ,様々な赴任形態を考慮したポリシーを作成することが必要です。
1.グループ全体の国際間人...