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■年頭所感『環境変化への適応に向けた公認会計士の取組』

日本公認会計士協会 会長 手塚 正彦

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謹んで新年のお慶びを申し上げます。

平素より当協会の会務にご理解ご支援を賜り,心から御礼申し上げます。

過去20年で世界の社会・経済環境は激変し,近年では,カーボンニュートラルに向けた世界の取組は,「産業・金融革命競争」というべき様相を呈しています。劇変する時代の中で,公認会計士が社会からのニーズの変化に応え,社会に貢献し続けられる環境を整備することが当協会の使命です。年頭にあたり,変化への適応に向けた当協会の取組について述べることとします。

会計監査の信頼性確保

会計監査を取り巻く環境も,過去20年で激変しました。監査に対する社会のニーズの変化は監査基準の改訂や規制強化に具現化され,現在も,重大な会計不正の発覚を契機に,監査規制改革が海外で進んでいます。先般開催された「会計監査の在り方に関する懇談会」では,これまでの環境変化を踏まえ,公認会計士制度について幅広く議論され,「論点整理」 が公表されました。そして,「論点整理」を踏まえ,金融審議会公認会計士制度部会において,公認会計士法の改正に向けた議論が行われました。

上場会社監査の信頼性確保については,上場会社の監査に高い規律を求める制度的枠組...