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■年頭所感『デジタル化への対応など時代の要請に応え得る税理士制度の確立へ』

日本税理士会連合会 会長 神津 信一

( 20頁)

昨年,OECD/G20において,国際課税の新たなルールについて合意がなされました。法人税率の引き下げなど企業誘致競争の激化や物理的拠点を置かずにビジネスを行う多国籍企業の増加などの課題に対し,グローバル・ミニマム課税の導入と市場国へ課税権を配分するデジタル課税の導入という国際課税ルールの転換で解決に向かうこととなりました。経済のデジタル化の進展が国際社会に与える影響の大きさを税の分野から改めて感じさせられました。

このように「デジタル」が経済の中心となる新たな社会において,私たち税理士が時代の要請に的確に応え,より一層国民・納税者の信頼に応え得る税理士制度を確立するため,本会は諸施策を講じていくこととしております。年頭に当たり,その一端を申し述べたいと存じます。

税理士法改正について

昨年12月に決定された与党税制改正大綱において,税理士制度の見直しが改正事項として記載されました。今次の改正案は,税理士が経済社会の先頭に立ち,業務にICTを活用しデジタル化に対応することで納税者の利便向上に資すること,多様な人材の確保,とりわけ,若年世代の税理士試験受験者を増やすこと,税理士法人の業務範囲に社...