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実例で学ぶ 外国人雇用と海外出向者にまつわる税務・給与・社会保険 第137回 社会保障協定の延長申請

EY税理士法人 税理士 藤井 恵

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社会保障協定の延長申請が認められる場合とは

A氏はX国に赴任していますが,予定していた5年間の赴任期間が延長することは確実です。A氏は現在,日本とX国との間の社会保障協定の適用を受け,日本の年金制度等への加入を条件に,X国での年金制度等の加入免除を受けています。

今回,社会保障協定の延長申請を行いますが,そもそも延長申請は認められるものなのでしょうか。延長申請が認められない場合や,延長申請に関する社会保障協定ごとの特徴について教えてください。

1.延長申請が認められる理由になりえる事項

社会保障協定の適用期間が延長になりえる事項としては【表1】が一例として挙げられます(各国ごとの詳細は後述します)。

【表1】延長が認められる理由になりえる事項~延長しないと業務や本人に深刻な状況に陥る場合~

1.業務に関して予見不可能なプロジェクト期間の延長が避けられない場合派遣者に余人をもって代えがたい技能・経験があり,プロジェクト遂行に不可欠な場合予定していた後任者が退職・死亡等のやむを得ない事情があり赴任できず,新たな赴任予定者が決定,またはその訓練が終わるまで滞在が必要な場合買収または再編により,その移...