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裁決評釈 「資産の運用又は保有により生ずる所得」の範囲<上>

 税理士 山崎 昇

( 28頁)
目 次

(今月号)

Ⅰ はじめに

Ⅱ 本裁決の概要

1 事案の概要

2 資産の運用・保有所得の課税に係る関係法令

3 本件各先物取引の概要

4 法令解釈及び事実認定・当てはめ

Ⅲ 税法上の「資産」と日経225先物の経済的価値

1 本裁決が参照したと思われる裁判例

2 租税法における「資産」の意義

3 本裁決における「資産」の判断枠組み

4 日経225先物取引の建玉の経済的価値

5 日経225先物取引における所得の発生メカニズム

6 考察

(来月号以降)

Ⅳ「資産の運用・保有所得」の法令解釈

1 本裁決が参照したと思われる税大論叢の論文

2 植松講演録が説明する資産の運用・保有所得

3「運用又は保有」の意義

4 PEを有しない非居住者における課税範囲

5 考察

Ⅴ 本件各先物取引所得は資産の運用・保有所得に該当するか

1 先物取引とは

2 法人税法上のデリバティブ取引の取扱い

3 所得税法における先物取引所得の所得区分

4 考察

Ⅵ おわりに

Ⅰ はじめに

国税不服審判所が平成31年3月25日行った裁決(未公表)(裁決番号平30-114,以下「本裁決」といいます。)に係る処分は,日本に恒久的施設(以下「PE」といいます。)を有しないシンガポール...