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フィリピンにおける最新の税務の動向について

P&A Grant Thornton Senior Manager 今枝 侑子
P&A Grant Thornton Senior Manager 岡村 学

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フィリピンにおいては,1995年に制定された特別経済区法によりPEZA(Philippine Economic Zone Authority:フィリピン経済区庁)に登録された事業に係る優遇措置を多くの日系企業が利用していることは知られるところであるが,2021年に入りCREATE法(Corporate Recovery and Tax Incentives for Enterprises Act:企業復興税優遇法案)やVAT(Value Added Tax:付加価値税)に係る歳入規則や施行規則が次々と公表され,日系企業に大きな影響を与えている。また,租税条約の適用申請では2017年より利子・配当・ロイヤルティの3項目について簡略的な手続により軽減税率を適用できるCORTT Form(Certificate of Residence for Tax Treaty Relief:租税条約の恩典を受けるための居住者証明フォーム)を利用することができたが,2021年3月31日以降はこのCORTT Form が廃止となり,BIR(Bureau of Internal Revenue:内国歳入庁)からの要求資料の増加やフィリピン国外で作成された書類についてアポスティーユ認証を求める書類が増える等,手続が煩雑化している。

本稿では,2021年に公表されたCREATE法による優遇税制の状況,VATに...