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タックス・ヘイブンの濫用防止に向けた米国の動き

 税理士 川田 剛

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はじめに

GAFAに代表されるように、国際的租税回避の横行は、米国内でも問題視されている。

先般(2021年3月11日)米国議会(下院)あてに提出されたタックス・ヘイブン濫用防止法案(H.R.1786―Stop Tax Haven Abuse Act)は、この記事を書いている段階で、下院歳入委員会(Ways & Means Committee)において審議中であるが、そこで承認されれば、下院総会での決議を経て上院財政委員会(Senate, Finance Committee)、上院議会での決議を経て大統領がこれに署名すれば法律として正式成立の見込みである。

この種の法案の常として、成立に至るまでには多くの日時と紆余曲折があると思われるが、同法案には、重要な内容がいくつか含まれているので、その骨格部分について紹介する。

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その1(Sec.101条関係)

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