※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

チャレンジ!移転価格税制 [第76回] 企業が知っておくべきBEPS2.0(2)

太陽グラントソントン税理士法人 国際税務クリニック院長 山田 晴美

( 116頁)

部長: BEPS2.0のうち、当社に関係あるのは所得合算ルール(IIR)というもので、税率15%を下回る国が対象となることは分かったけれど、もう少しイメージしやすいものはないのかな?

杏: では、IIRがどのような仕組みになっているのかを図にしてみましたので、(図1)をご覧ください。

(図1) 第2の柱(所得合算ルールのイメージ)

新二: まずは子会社の現地で支払っている税額を算出して、15%との差額を求めるんですね。

部長: でも、その差額全部が課税されるわけではなく、有形資産の簿価と支払給与の5%に相当する金額だけは、差額分から控除できるということなんだね。

新二:この例で言うと、実効税率が10%だから、1...