租税事件の論点からアプローチする実務国際課税 第2回 タックス・ヘイブン対策税制と「租税回避」、「目的論的解釈」、「支配力」、「担税力」(下)
秋元 秀仁
略歴 大蔵省主税局、国税庁調査査察部調査課(国際/審理担当)、同課税部法人課税課、同審理室、東京国税局統括国税実査官(国際/富裕層担当)、玉川税務署長、東京国税局調査管理課長、国税庁長官官房監督評価官室長、札幌国税局総務部長、高松国税局長などを歴任。現在、税理士。
内容
はじめに 1 事案の概要 2 争いなき事実 3 争点・論点 4 高裁判決要旨(国側敗訴) 5 地裁判決要旨(国側勝訴) |
※2月号掲載 6 検討 争点・論点等における検討 1 請求権勘案保有株式等割合の判定時期【争点1】 2 CFC税制創設の趣旨(再確認) 3 CFC税制と「租税回避」【争点2】 4 CFC税制と「目的論的解釈(趣旨解釈)」【論点3】 5 CFC税制における「支配力」【論点4】 6 CFC税制における「担税力」【論点5】 7 請求権勘案保有株式等割合の計算【論点6】 本判決の影響 ~課税実務に対する考察~ おわりに(総評) |
6 検 討
一審の東京地裁では、租税回避の目的やその実態の有無等にかかわらず、文理解釈によりタックス・ヘイブン対策税制の適用の是非が判断されるべき旨、判示した(国側勝訴)。しかしながら、二審の東京高裁では、本件取引...