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国際税務の相談室☆外国税額控除 給与所得者が外国出張により外国所得税を課される場合の二重課税の調整

デロイト トーマツ税理士法人 GESシニアアドバイザー・税理士 飯塚 信吾

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X氏は内国法人A社に勤務しています(役員ではありません)が、昨年会社業務のため米国に出張し当初の予定を超え200日程度滞在したことにより、米国でも申告が必要になると聞いています。会社業務のため納税が生じることとなるため、その税額はA社が負担することになりますが、両国間で負担することになる所得税等は、どのような手続きで調整されることになりますか?

なお、X氏は米国で非居住者として課税されると聞いています。

居住者が日本で課税される所得に外国でも所得税を課税される場合には、原則的に居住地国である日本の確定申告において外国税額控除を適用して二重課税の調整を行いますが、その具体的な調整方法等には、いくつかの方法が考えられ、それぞれメリット・デメリットがありますので、それらを検討し調整方法を決定する必要があります。

解説

1.日米両国における課税関係

使用人の給与所得については、その者が非居住者に該当する...