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一目でわかる中国☆ 国際税務教室 Vol.213 みなし販売の会計、企業所得税、増値税を仕訳から考える

上海ユナイテッドアチーブメント コンサルティング 代表 公認会計士・税理士 鈴木 康伸

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企業経営において、サンプル品、交換品など自社の取り扱う商製品を顧客に無償で提供することは珍しくありません。経理担当者が在庫の費用振替は忘れないとして、ここでは、企業所得税及び増値税の税務計算が正しく行われているかを含めて、あるべき会計処理と税務処理を考えてみましょう。

ケース1:自社製品をサンプル品として無償で提供しているA社の場合

拡販のため、A社は自社の製品をサンプル品として顧客に提供しています。製品の製造コストを税抜き80元とし、同製品を販売もしていて売価が100元とします。サンプル品提供行為についてA社の経理責任者は、在庫の費用処理と同時に、当該在庫の仕入増値税は控除不可であると考えて以下...