※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

プラットフォーム課税の議論について

税理士  堀江 知洋

( 30頁)

1.はじめに

令和4年12月16日に与党が公表した「令和5年度税制改正大綱」の「第一 令和5年度税制改正の基本的考え方等 2.経済のグローバル化・デジタル化・グリーン化への対応 (2)プラットフォーム課税」では、「国境を越えた役務の提供に係る消費課税のあり方について、諸外国での制度面での対応や執行上の課題、プラットフォーム運営事業者の役割等を踏まえ、国内外の競争条件の公平性を考慮しつつ、適正な課税を確保するための方策を検討する。」と説明している。本稿においては、国境を越えた電気通信役務の提供のうち、特に、最近の市場規模の伸びが顕著なオンラインゲームを中心に、政府税調の検討を踏まえ、今後の日本の消費課税のあり方について考察する。

2.背景となる市場動向

(1) 2021年の日本国内の消費者向け電子商取引(以下EC)市場規模は、約20.7兆円で前年比7.35%の伸びを示しており、2013年と比べると実に85.34%増と飛躍的に拡大している。1EC市場は、分野別に食品、飲料、家電、衣類、生活雑貨等の物販系、旅行、チケット販売等のサービス系及び電子書籍、音楽配信、動画配信、オンラインゲーム等のデジタ...