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国際税務の相談室☆消費税 海外子会社の消費税の納税義務判定とインボイス対応

東京富士大学 客員教授・税理士 伴 忠彦

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日本法人のP社は、X国に支配子会社S社(設立10年目、12月決算、日本に事業拠点なし)を有しています。S社の主たる事業は、商品をP社から仕入れてX国内で販売することです。しかし、S社の得意先であるX国法人のC社は日本にも事業拠点を有しており、C社へ販売した商品の一部は、P社からC社日本拠点に国内で直送しています。この取引は2022年から始まり、国内直送に係る売上は【表】のとおりです。それ以前は国内での取引はありませんでしたが、今後は取引が継続する見込みです。また、P社は2020年以降、S社から常時数人の出向社員(日本の居住者となる)を受け入れており、P社が日本で給与を支払って年末調整もしています。S社は給与の一部を給与負担金としてP社に支払っており、2022年1月~6月の給与負担金の支払合計額は1,000万円を超えています。なお、S社からの出向社員は、C社との取引には全く関与していません。S社の消費税申告とインボイス制度対応について、次の点をご教示ください。【表】 C社への売上(単位:万円)年度1~6月7~12月合計202100020223,0001,5004,50020234,00...