国際税務の最新動向と新しいグローバル税務マネジメント
デロイト トーマツ税理士法人 パートナー 黒坂 史明
デロイト トーマツ税理士法人 シニアマネジャー 辻浦 貴史
はじめに
昨今、ESG・サステナビリティの観点から企業の税への取組み姿勢や納税額等の開示期待の高まりに加え、BEPS2.0をはじめとする国際課税ルールの複雑化とデータ処理要求の高まりという環境の変化もあり、税務部門の機能は転換期にあるといえます。
このような環境の中、どのように対応すればよいのか模索されている企業は多いものと思われますが、各企業の悩みの共有・共感と、課題の識別・解決のための取組みのご参考としていただくべく、 本誌6月号 において、「国際税務の最新動向と新しいグローバル税務マネジメント~国際税務マネジメントに関するアンケート結果について~」と題して、国際的にビジネスを展開されている多国籍企業における取組みに係るアンケートの結果をご紹介させていただきました。また、 本誌8月号 及び 9月号 において、「国際税務の最新動向と新しいグローバル税務マネジメント~グローバル企業による座談会~」と題して、2023年5月12日に多国籍企業3社と実施した座談会の様子をお届けしました。
本稿では、アンケート結果及び座談会の様子を踏まえて、制度等適用開始が迫る中で喫緊の課題と思われる「1.税務部門の高付加価値...
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