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各国の税務申告書を読み解く5 ~日本の税務申告での留意点~ インド 編

SCS国際税理士法人 税理士 中瀬 和正
ASA & Associates LLP Sunil Arora National Tax Head Sunil Arora
ASA & Associates LLP Kunal Arora Manager Kunal Arora

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はじめに

今回はインド編になります。インドの法人税申告書は英語で作成されますが、税務申告書は分量が多いため、外国子会社合算税制(以下、「CFC」)の租税負担割合の計算等にあたっては苦労された経験をお持ちの方も多いかもしれません。

本稿では誌面の都合上、全ての税務申告書を掲載することはできませんが、特に重要と思われる部分を抜き出して解説していきます。

税務申告書の記載にあたっての基本情報

1.法人税率

インド法人の法人税率は原則30%で、サーチャージおよび健康教育目的税を加えた法人税実効税率は31.20%~34.94%となります。しかし、下記のような特例も設けられているため、どの法人税率が適用されるかは個社ごとに確認が必要となります。

中小企業  :26.00% ~ 29.12%
新税率(※):25.17%(新設製造業は17.16%)
最低代替税 :会計上の利益×15% + サーチャージ + 健康教育目的税(法人税額が会計上の利益の15%未満となる場合に適用)

(※)新税率は、2019年度以降において全ての法人が選択可能で、これを適用した場合の法人税率は22%(サーチャージと健康教育目的税を考慮した実効税...