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グローバル・ミニマム課税における実務上の留意点と課題 第5回 他国QDMTTの導入がわが国IIRに与える影響

  秋元 秀仁

( 54頁)

略歴  旧大蔵省主税局、国税庁調査査察部調査課(国際/審理担当)、同課税部法人課税課、同審理室、東京国税局統括国税実査官(国際/富裕層担当)、玉川税務署長、東京国税局調査管理課長、国税庁長官官房監督評価官室長、札幌国税局総務部長、高松国税局長などを歴任。現在、税理士。

 はじめに

 グローバル・ミニマム課税の機能と役割

1 GloBEルールとグローバル・ミニマム課税

2 IIRとUTPR

(1) 所得合算ルール(IIR)

(2) 軽課税所得ルール(UTPR)

 軽課税国のQDMTT導入がわが国IIRに与える影響

1 QDMTTの意義

2 IIRから控除されるQDMTT

3 他国QDMTTとわが国IIRの関係

4 今後の動向

Ⅰ はじめに

令和5年度税制改正で新たに導入された国際最低課税額制度(グローバル・ミニマム課税制度)は、グローバルに展開する多国籍企業グループに係る親会社(内国法人)の令和6(2024)年4月1日以後開始する対象会計年度から適用することとされています(令和5年度改正法附則11)。

本制度は、OECD/G20の「BEPS包摂的枠組み(Inclusive Framework)」において国際合意...