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BEPS2.0各国の法制化状況と日本企業における留意点 第10回 アイルランド

Ernst & Young Ireland  Rory MacIver
Ernst & Young Ireland  Divya Kanwar
EY税理士法人 シニアマネージャー 工藤 保浩

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1.はじめに

長い間、EU加盟国であり、かつ法人税率を12.5%と魅力的な水準に設定しているアイルランドは、特に米国に本社がある企業や知財集約セクターに属する企業等の多国籍企業(Multinational Enterprise、以下MNE)が、事業拠点や地域統括拠点を設ける際の魅力的な場所として機能してきました。日本企業では、情報・通信、製薬やライフサイエンス、そして航空機のリースを含む金融サービスに関連する企業がアイルランドに進出しています。キャピタルゲインに係る資本参加免税規定(Participation Exemption)や、様々な国、地域と租税条約を結んでおり、アイルランドは税効率の優...