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デジタル経済課税/第1の柱に係る最新動向 第1回

PwC税理士法人 パートナー 舩谷 晃一
 ディレクター 城地 徳政

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2024年2月19日、経済協力開発機構(OECD)は、第1の柱/利益Bに関する報告書(以下「最終報告書」)を公表しました 。第1の柱/利益Bについては、特にキャパシティの低い国々(Low-capacity jurisdictions)のニーズに焦点を当てつつ、基礎的なマーケティング・販売活動(Baseline marketing and distribution activities)について独立企業間原則(Arm's Length Principle:以下「ALP」)の簡素化・合理化されたアプローチを提供するものとして、包摂的枠組み(Inclusive Framework:以下「IF」)において議論が進められてきました。最終報告書は、IFのコンセンサスを反映したものとして公表され 、各国が、自国居住者である対象適格取引を行っている販売会社に対して、利益Bの適用を選択できるオプションの枠組みとして位置付けられています。

各国は、2025年1月1日以降に開始する事業年度から、自国居住者である販売会社に係る対象適格取引に対して、簡素化・合理化アプローチの導入を選択できます。利益Bが各国の適用...