中国・インド 日系企業が直面する国際的な人材活用とその実践的課題 第2回 海外人材の活用と税務
AsiaWise会計事務所 税理士・公認会計士 高野 一弘
矢野綾佳税理士事務所 税理士 矢野 綾佳
多くの企業では、限られた人材リソースの適切な配置を通じた効率的、効果的な人材マネジメントを思考されています。昨今のグローバル化とそれと合わせて発生している複雑で変化が激しい経済環境を考慮すると、多様なスキルセットや新しい視点を持つ人材を活用することは企業の成長のためには欠かせない要素となっているといっても過言ではありません。
本連載の第1回においては、日本から中国・インドへの人材派遣にかかる実践的な課題について検討を行いました。今回は、逆に、中国・インドから日本への人材受け入れに焦点を当て税務的な課題を検討します。
事例
P社(日本企業)では、グループ内人材の有効活用を促進するため、グローバル人材プールを管理し、最適な人員の配置を推進することを検討しています。その一環として、中国子会社S1の従業員Aおよびインド子会社S2の従業員Bを本社業務に従事してもらうことを予定しています。具体的には①現地からのリモートワーク、および②日本本社へのフィジカルな出向の2つの形態を考えています。S1社およびS2社からは、いずれのケースにおいても、P社のコスト負担で実施し、かつS1社およびS2社において税務上の...
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