BEPS2.0各国の法制化状況と日本企業における留意点 第12回 メキシコ
EY Mexico Manager 吉本 裕
EY税理士法人 Latin America Desk ITTS Partner Raul Moreno
EY税理士法人 Latin America Desk ITTS Manager Hector Rosano
EY税理士法人 Latin America Desk ITTS senior Jose M Figueroa
1.はじめに
日本の多国籍企業は、国際貿易・投資シナリオのキープレーヤーであるメキシコにおける事業を大幅に拡大しています。メキシコでは、自動車、エレクトロニクス、製造、医薬品などの日本の産業が、その戦略的立地、労働力、競争力のあるビジネス環境を活用して、強力なプレゼンスを確立しています。
また、日本の対メキシコ投資は、メキシコの対内直接投資総額の約7.3%(2023年9月時点)を占め 1 、従来からの貿易相手国であるカナダを上回る第5位であり、日本とメキシコの経済関係は深まり続けています。この傾向の一例として、2023年度の日系多国籍企業の対メキシコ直接投資額は1,857億円相当と 2 、過去4年間で最高となっています。
このようなメキシコへの強力な直接投資が行われることから、BEPS(税源浸食と利益移転)の第2の柱における「グローバル税源浸食防止(GloBE)」モデルルールの対象となる日系多国籍企業のメキシコ子会社は、構成事業体として考慮される場合、所得合算ルール(IIR)算定における実効税率(ETR)の適正な計算において、重要な意味を持つことになります。
以上を踏まえ、本稿では、メキシコにおけるB...
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