※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです
TP Controversy Report〈82〉 移転価格調査での情報・資料収集は何のためか?
EY税理士法人 竹内 茂樹
( 106頁)
1.はじめに(最近の移転価格調査)
筆者の経験に基づけば、最近、調査で移転価格事項が対象になる割合が増えているように思われます。その大きな要因として、移転価格の法人税調査での同時調査が一般化し定着してきたことが考えられます。そうしたことから、これまで一度も移転価格について調査された経験のない会社で移転価格調査が行われることも多く、税務・経理担当の方々でも対応に苦慮されているケースも見受けられます。
そこで今回は、税務・経理担当の方々が移転価格調査で必ず直面する資料提供にフォーカスしたいと思います。
2.調査の特殊性と情報・資料収集
移転価格税制(租税特別措置法66条の4等)は法令が抽象的であいまいな規定振りであることから、調査担当官は、課税を立証するための「独立企業間価格」計算の客観的な証拠資料の収集も困難なことが多く、その各点(各証拠書類等)を結びつけ、最後の「独立企業間価格」の計算結果にまで証拠を結びつけるための接着剤の役割として「事業部等インタビュー」を重要な位置づけとしているものと考えられます。ですので、移転価格調査の開始早々、パンフレットや基本的な決算数値データを入手した後は、早々に...
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