[全文公開] 国際税務の英単語 tax return(税務申告書)
佐和公認会計士事務所 公認会計士・税理士 佐和 周
本連載は、国際税務でよく使う英語をピックアップして解説していくものですが、今回も前回に引き続き、一般的な税務用語です。
今回は超基本的な用語ですが、「税務申告書」は一般に tax return と訳します。慣れておられる方々には当然のことだと思います。しかしながら、 return の「申告書」という意味は、税務(その他公的な手続き)特有の使い方なので、馴染みがない方々は面食らうかもしれません。ちなみに、動詞としての return にも、「(当局などに)報告する、申告する」という意味があります。
「税務申告書」自体はメジャーな用語なので、海外とのやり取りでも使う場面が多いと思われますが、その際、単に tax return と言うだけでなく、もう少し情報を付加することもあります。例えば、「何の申告書か」という税目に関する情報を付加する場合、「法人税」の申告書であれば corporate income tax return (法人税申告書)、「消費税」の申告書であれば consumption tax return (消費税申告書)といった具合です。同じく、「年度内のどの時点の申告書か」という情報を付加する場合、中間申告書であれば interim(tax)return 、確定申告書は final(tax)return と訳すことができます。
次に、 tax return と動詞のセットを考えると、税務申告書を「作成する」は、 to prepare tax returns で、これは非常によく見かける表現です。また、税務申告書を「提出する」は、 to file tax returns と表現できます。この場合の file は日常の使い方とは少し違うので、もし抵抗があれば、より一般的な submit という単語を使う( to submit tax returns と表現する)ことも可能です。
最後に、申告といえば「申告期限」ですが、これについては deadline (締切り)という単語を使って、 deadline for a tax return や deadline for filing a tax return と訳すことができます。また、 deadline の代わりに due date を使って、 due date of a tax return などの表現でもOKです。ちなみに、申告期限の延長は filing extension であり、例えば、1か月の延長なら one month filing extension と言っておけば、問題なく通じると思います。
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