国際課税の動向と執行の現状
前 東京国税局 調査第一部 国際監理官 水上 勝弘
国際税務研究会では5月30日、前東京国税局国際監理官の水上勝弘氏を講師に迎え、標題のLiveセミナーを開催しました。本稿では、当日解説いただいた内容のうち、経済のデジタル化に伴う国際課税上の対応、海外取引等に対する調査等の状況、事前確認に係る相互協議の状況、移転価格税制に関する税務コンプライアンスなどについて記載いただきました。 なお、国際税務データベースでは、当日の収録内容を動画で公開しております。国際税務データベースにログイン後、「Liveセミナー・PSMオンライン」→「特別セミナー」からご視聴ください。 (編集部) |
※著者の所属・肩書はLiveセミナー収録当時(5月30日時点)のものです。
はじめに
本日は「国際課税の動向と執行の現状」と題しまして、東京国税局調査部における国際課税の執行の現状などについてお話をさせていただきます。国税局の調査部は大企業に対する税務調査を実施している部署ですので、制度の内容よりも執行面での課題等を中心に話をしていきたいと思います。
なお、本日の講演において、評価や意見に係る発言をすることがありますが、それらは私個人の見解であり、私が所属する東京国税局調査部の正...