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チャレンジ!移転価格税制 [第97回] 海外出張・出向に係る諸問題~意外と知らない居住者・非居住者区分

DLA Piper(ディーエルエイ・パイパー東京パートナーシップ外国法共同事業法律事務所) 税理士・国際税務クリニック院長 山田 晴美

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部長: 海外に出張や出向する場合、居住者なのか非居住者なのかという問題が出てくると思うんだけど、そのあたりもぼんやりとしかわかっていないんだよね。

新二: 確かにボクも、きちんと理解できているとはいえないですね。

杏: 居住者と非居住者の判断基準については、所得税法に定められていますので、まずはこちらをご覧ください (図1)

(図1)

居住者・非居住者の法的根拠
区分 判断基準 根拠法令
居住者 国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人 所法2 ①三
非居住者 居住者以外の個人 所法2 ①五
国外に居住することとなった個人が国外において、継続して1年以上居住することを通常必要とする職業を有することに該当する場合には、その者は、国内に住所を有しない者と推定する。 所令15

部長:

杏: いいえ、そんなに簡単なものではなく、「住所を有している」ということを、きちんと判定する必要がありますので、それについてはこちらをご覧ください (図2)

部長: 「住所」とは「生活の本拠」のことを指していて、その「生活の本拠」の有無についても判断基準があるということなんだね。

杏:住居があるのか、職業はどのようなものか、資産を国内に...