※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

BEPS2.0各国の法制化状況と日本企業における留意点 第15回(最終回) BEPS2.0 各国アップデートシリーズのまとめ

EY税理士法人 パートナー 関谷 浩一
EY税理士法人 シニアマネージャー 榎本 竜也
EY税理士法人 シニアマネージャー 工藤 保浩

( 72頁)

1 はじめに

2023年5月号 から連載してきた主要国におけるBEPS2.0各国アップデートシリーズも、本稿でまとめの回となります。

2015年にOECD租税委員会より公表されたBEPS最終報告書において、将来に向けて検討を継続することとされていた行動計画1「電子経済の課税上の課題への対応」における法人税課税の対応について対処すべく、2021年10月にOECD/G20「BEPS包摂的枠組み」において、市場国への新たな課税権の配分(「第1の柱」)とグローバル・ミニマム課税(「第2の柱」)の「2本の柱」による解決策が最終的に合意されました。

このうち第1の柱は、グローバルで計算したみなし残余利益の一定割合...