グローバル・ミニマム課税における実務上の留意点と課題 第13回 実質ベースの所得除外額の計算における帳簿価額と減損損失(Q&A その2)
秋元 秀仁
略歴 旧大蔵省主税局、国税庁調査査察部調査課(国際/審理担当)、同課税部法人課税課、同審理室、東京国税局統括国税実査官(国際/富裕層担当)、玉川税務署長、東京国税局調査管理課長、国税庁長官官房監督評価官室長、札幌国税局総務部長、高松国税局長などを歴任。現在、税理士、青山学院大学大学院非常勤講師。
Ⅱ 具体的照会事例の検討 Q4 実質ベースの所得除外額の計算における帳簿価額と減損損失 《検討》 1 実質ベースの所得除外額(特定費用の額、特定資産の額)の概要 2 実質ベースの所得除外額の具体的計算 |
3 OECDコメンタリーにおけるカーブ・アウトと減損損失 4 「減損損失による評価替え」と「時価により評価した価額」の関係性の検討 5 「時価により評価した価額とする会計処理」の意義と本件の取扱い(結論) |
《照会の要旨》
IIRの課税額(構成会社等に係るグループ国際最低課税額における当期国別国際最低課税額)の計算においては、「国別グループ純所得の金額(法法82の2②一イ(1))」からいわゆる「実質ベース所得除外額(同号イ(2))」(Substance-based Income Exclusion:SBIE)を控除する(carve-out)こととされています(同項)。この「実質ベース所得除外額」の算定の基礎となる特定資産(有形固定資産などの一定資産)の特定帳簿価額(法法82の2②一イ(2)ⅱ、法令155の38①二、法規38の31⑤、⑥三)については、「資産の帳簿価額を時価により評価した価額とする会計処理(法人税法施行規則第38条の13第2項第2号(当期...