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各国の税務申告書を読み解く6 ベトナム編(最終回)

SCS国際税理士法人 税理士 中瀬 和正
SCS Global Consulting(Vietnam)Co., Ltd. 公認会計士 尾崎 士朗

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はじめに

連載の最終回はベトナム編です。ベトナムの法人税申告書はベトナム語のみの記載となります。ベトナムに限った話ではありませんが、大手会計事務所や日系会計事務所に現地税務申告を委託している場合には、英文等の説明資料が添付されていることが多く、実際の現地申告書をご覧になる機会は必ずしも多くないかもしれません。それでも何かの機会に元資料を確認したい、若しくは、そもそもどのような情報をベトナム税務当局に申告しているのか知っておきたいと思う機会がどこかであるかもしれません。そんな時に本稿及び本連載が少しでも読者の皆様のお役に立てば幸いです。

本稿では日系のソフトウェア開発子会社を想定した設例を用いて、ベトナムの決算書及び法人税申告書の概要を解説します。

税務申告書の記載にあたっての基本情報

1.法人税率

ベトナムにおける法人税の標準税率は20%です。

標準税率以上の税率が適用される事業は、希少な鉱物資源の炭...