※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです
中国・インド 日系企業が直面する国際的な人材活用とその実践的課題 第5回 インド出向者GST課税問題アップデート
AsiaWise会計事務所 公認会計士・税理士 高野 一弘
( 57頁)
1.出向者GST課税問題
2022年5月の多国籍企業向けの最高裁判所判決を契機として、インドにおける出向者給与に関するGST課税が問題となっています。
同最高裁判所判決においては、インド法人が負担する出向者給与を出向負担金のような「給与」と認めず、国外関連者への「サービス対価」と認定し、サービスタックス(後に「GST」に統合される旧間接税の一種)の課税対象であると結論づけました。
その後、インド税務当局が本最高裁判所判決を根拠として、他の多国籍企業が実施している出向契約にも同様の課税を実施したため、大きな問題となっています。以下、この問題について、概要とその問題点、納税者の対応方針について検討します...