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国際税務の相談室☆移転価格税制(ローカルファイル) ベトナム子会社との取引に係るローカルファイル
青山学院大学 非常勤講師・税理士 三塚 一彦
( 78頁)
Q
ベトナムに製造法人を設立して数年が経ちます。 設立から数年間は営業赤字が継続しましたが、現地での継続的な営業活動が功を奏し、現在は営業利益(総コスト営業利益率)で二桁程度の黒字になっております。 このような状況について、移転価格税制について検討する必要があるように感じておりますが、どのようなものを作成したらよいのか分かりません。また、現在までの営業状況でベトナム側及び日本側でどのような課税リスクがあるのか等、ご指導いただきたく思います。 |
A
設立当初の赤字についてはベトナム側で課税リスクが想定されますが、設立時はスタートアップ時ということもあり、通常以上の経費等がかかっていると思います。その経費を考慮して利益を再計算すれば、ベトナム側での課税リスクが顕在化することは低いと思います。
一方、現在、二桁以上の営業利益になっているということですので、現在の状況が続く場合は、日本側での課税リスクが生じるよ...