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グローバル・ミニマム課税の実務対応
デロイト トーマツ税理士法人 シニアアドバイザー 山川 博樹
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はじめに
GloBE適用初年度2025年3月期の対応の本番が目前に迫っている。親会社は、我が国IIR及び各国のQDMTT対応を含めたグループ全体の対応プロセスを構築し実行することが求められる。12月決算会社は現下2024年12月期の各国QDMTT対応や中間親会社のIIR対応に余念がない。ここでは、ひとつのオーソドックスな方法論とタイムライン、そして主としてメガ企業実務の考え方の一端を示し、会社の取組の参考に供することができれば幸甚である。
1 制度の基礎と海外動向の整理
(1)我が国のIIRは2023年度(令和5年度)に恒久的仕組みとして法人税法に新設された。国別ETRと基準税率15%との比較によっ...