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中国・インド 日系企業が直面する国際的な人材活用とその実践的課題 第6回(最終回) サービスPEを中心とした中国PE課税の実務

矢野綾佳税理士事務所 税理士 矢野 綾佳

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中国ビジネスに係る象徴的な税務リスクとして中国におけるPE課税リスクが挙げられます。しかし、PE課税がどのような性質の課税であるかについては、中国からの送金課税と趣を異にするため、あまり認識されていないように見受けられます。また、中国側のPEの範囲に関する拡大解釈によってPE課税された場合には、日中租税条約が定める「PEなければ課税なし」とされる事業所得の不当課税として、日本において外国税額控除の適用を受けられず、二重課税の問題へとつながる恐れがあります。

よって、本稿では、中国のPE課税について、日中租税条約の定めに関する解釈を踏まえつつ、サービスPEを中心とした認定事例を素材として、PE認定...