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グローバル・ミニマム課税に係る今後の適切な実務対応

PwC税理士法人 デジタル経済課税対応チーム リードパートナー 白土 晴久 監修
 シニアマネージャー 髙野 雄大

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1.はじめに

第3回では、グローバル・ミニマム課税において、移行期間CbCRセーフハーバーと、QDMTTセーフハーバーが使えるかの検討について解説します。

第1回で解説したとおり、グローバル・ミニマム課税は、主に所得合算ルール(Income Inclusion Rule(IIR))、軽課税所得ルール(Undertaxed Profits Rule(UTPR))、適格国内最低課税制度(Qualified Domestic Minimum Top-up Tax(QDMTT))の3つの制度から構成されています。グローバル・ミニマム課税において、移行期間CbCRセーフハーバー(以下、「CbCRSH」)、QDMTTセーフハーバー(以下、「QDMTTSH」)、UTPRセーフハーバー1等、いくつかのセーフハーバールール2が設けられており、セーフハーバーを満たすことによって、グローバル・ミニマム課税の各制度の適用が免除されます。特にCbCRSHとQDMTTSHは、グローバル・ミニマム課税の事務負担を大幅に軽減する可能性があり、納税者のグローバル・ミニマム課税の対応方針に大きな影響を及ぼすことから、両セーフ...