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令和7年度税制改正 国際課税関係の改正について

  堀越 聖啓
  吉田 雅史
  渡邉 正晴
  荒井 拓人

( 28頁)

はじめに

令和3年(2021年)10月にOECD/G20「BEPS包摂的枠組み」(Inclusive Framework on BEPS)において最終的に合意された、市場国への新たな課税権の配分(「第1の柱」)及びグローバル・ミニマム課税(「第2の柱」)の「2本の柱」からなる解決策については、令和5年度税制改正において、「第2の柱」を構成する所得合算ルール(IIR:Income Inclusion Rule)が法制化(各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税の創設等)されました。また、令和6年度税制改正においても、所得合算ルールについて、OECDにより発出されたガイダンスの内容や、国際的な議論の内容を踏まえた制度の明確化等の観点からの見直しが行われたところです。

今般の税制改正においても、令和5年度及び令和6年度に引き続き、国際合意に則った法制化が行われました。具体的には、「第2の柱」のうち、残された2つのルール、すなわち、軽課税所得ルール(UTPR:Undertaxed Profits Rule)及び国内ミニマム課税(QDMTT:Qualified Domestic Minimum ...