[全文公開] 国際税務の英単語 equity method(持分法)
佐和公認会計士事務所 公認会計士・税理士 佐和 周
本連載は、国際税務でよく使う英語をピックアップして解説していくものですが、今回も 前回 に引き続き、グローバル・ミニマム課税(各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税)に関する用語です。
今回は、次回解説する Joint Venture ( JV )(共同支配親会社等)という用語を解説するための予備知識として、 equity method という用語を取り上げます。
equity method の訳は「持分法」です。 equity は「自己資本」と訳す場合もありますが、ここでは「持分」という訳になります。それに method (方法)を付けただけなので、「持分法」というのはある意味では直訳です(なお、持分法は equity method of accounting と表現されることもあります)。
国際最低課税額に対する法人税の制度における「持分法」の定義は、「会社等が他の会社等の所有持分を有する場合において、当該他の会社等の純資産及び損益のうちその会社等に帰属する部分の変動に応じて、その投資の金額を各対象会計年度ごとに修正する方法」とされています。なかなか難しい定義ですが、もう少し一般的な(会計寄りの)表現を使うと、「投資会社( investor )が被投資会社( investee )の資本及び損益のうち投資会社に帰属する部分の変動に応じて、その投資の額を決算日ごとに修正する方法」ということになります。
前提として、連結財務諸表上で持分法が適用されるのは、主に関連会社への投資( investments in associates )です。ここで、「関連会社」とは、子会社以外で、財務及び営業または事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる会社等をいいます。シンプルには、他の会社の議決権の20%以上を所有すると関連会社に該当します。
関連会社など、持分法が適用される会社については、その個別財務諸表の合算や投資と資本の消去も行われないため、連結財務諸表上には持分法適用会社に対する投資勘定(「関連会社株式」など)がそのまま残ります。そして、持分法では、持分法適用会社の損益のうち投資会社に帰属する部分( investor's share of the investee's profit or loss )を、その投資勘定に反映させていくということです。