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実例で学ぶ 外国人雇用と海外出向者にまつわる税務・給与・社会保険 第182回 海外勤務者が希望退職に応募した場合の留意点

EY税理士法人 税理士 藤井 恵

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東京商工リサーチが発表した2025年1―8月の上場企業「早期・希望退職募集」状況によりますと、「今年1月から8月31日までに判明した上場企業の『早期・希望退職』募集の対象人数が1万人を超過、募集の大型化が目立ち、3年ぶりに1万人を超えた2024年の年間募集人数1万9人をすでに上回った」状況です。

業績が好調な企業においても早期・希望退職を募集していることが多く、これら企業の中には、海外赴任中の社員も対象にしているケースが見られます。そこで本稿では、海外勤務者が希望退職制度に手を挙げた場合に留意が必要な点をまとめました。

Q 当社では、本年9月から、45歳以上の社員を対象に300名の早期希望退職を募集し、12月末で退職処理を完了する予定です。2年分の年収を上積みする等の希望退職制度は、日本本社所属の社員が対象となっているため、海外赴任中の社員も実質的には対象となっています。海外赴任中の社員からの...