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各国QDMTTの制度概要と留意点 第2回 オランダ

EYロッテルダム事務所 Partner Lars Vermeeren
EY税理士法人 Senior manager Martijn Vonk
EY税理士法人 Manager 上出 勇紀

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1 はじめに

OECDの第2の柱の枠組みは、IIR 、QDMTT およびUTPR の3つのメカニズムで構成されており、総称してGloBEルール と呼ばれています。日系多国籍企業の場合、IIRは通常UPE レベルで適用され、QDMTTは海外子会社レベルで適用されます。各国のQDMTT制度は、OECDのGloBEルールから(若干)乖離する可能性があり、重複する仕組みが適用されると複雑さが生じる可能性があります。こうした複雑な状況に対応するため、今後数か月にわたり、日系多国籍企業にとって重要な各国・地域におけるQDMTT制度を解説する連載記事を掲載します。

本稿は各国・地域の内容に係るシリーズの初回として、オランダにおけるQDMTT制度の概要を解説します。オランダは、日系多国籍企業が地域統括本部や持株会社を設立する上で、歴史的に重要な国・地域です。

2 QDMTT制度の概要

DMTT6を含むGloBEル...