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[全文公開] TP Controversy Report〈100〉 連載100回記念  移転価格問題の“これまで”と“これから”

EY税理士法人  竹内 茂樹
  (監修 EY-TP Controversy Team)

( 34頁)

移転価格税制を巡る国際的な環境は、ここ十数年で劇的に変化してきました。OECDのBEPSプロジェクト(税源浸食利益移転)開始以降、各国税務当局は多国籍企業による所得移転への監視を強化し、日本でも文書化制度の導入など法制度が整備されました。こうした流れの中で、本連載”TP Controversy Report”では、移転価格に関する多岐にわたる論点を毎月解説し、実務上の課題や当局の動向を紹介してきました。連載はこれまでで99回に及び、ポストBEPS時代の移転価格実務の変遷をほぼ網羅してきています。

今回は第100回を記念して、移転価格のほぼ100年にわたる歴史を紐解いた上で、本連載の過去の記事群を振り返りながら、移転価格を取り巻く近年の主なトピックと今後の課題について総括します。実務家及び企業の国際税務担当者の皆様にとって、過去の議論から得られる示唆を確認し、近未来の展望を考える一助となれば幸いです。

プロローグ

<独立企業原則の誕生 ~移転価格前史~>

まず、本連載開始前の時代を簡単に“おさらい”しておきたいと思います。まず、時代はかなり飛びます。1928年に国際連盟モデル条約が作成された後、事業所得について検討すべき事項が多かったことから、1929年から1939年にかけての国際連盟租税委員会で国際間の事業所得の配分について議論が行われたのですが、独立企業原則はその過程で登場しました 。当時、先進諸国の高官は、外国法人の支店に対する課税について、同種又は類似の状況において同種又は類似の活動に従事する独立の企業であったならば得られるであろう所得をベースとした課税原則に同意し 、国際社会において、所得配分方式として、独立会計に基づく方法が定率配分方式に勝利することとなったとされます 。同様の問題は独立した法人格である関連者間の取引についても存在するとして、1935年国際連盟モデル条約草案では、第6条に特殊関連企業条項を置き、独立企業と同様の条件で取引が行われていない場合には、調整が行われる旨定められました。そしてその後、この独立企業原則はOECDモデル租税条約(1980年以降に国連モデル条約)へと引き継がれていきました

<アメリカの時代>

一方、米国では、1928年に現在の移転価格税制の基となる内国歳入法45条が成立し、IRS長官には、所得及び控除を再配分する権限が与えられました。現行482条とほぼ同内容です。1960年代に至るまでは、移転価格税制が国際取引に適用されることはあまりありませんでしたが、1960年代以降、内国歳入法45条(現482条)が米国の課税権を守っていないとして、一部の取引に利益分割法を適用しようとする議論が起こり、1968年に482条に関する規則が策定されました 。そこでは利益分割法は明示されなかったものの(利益分割法は、1988年の移転価格白書を受け、1993年規則案において初めて採用されました。)、後に基本三法といわれる独立企業間価格の具体的な算定方法が定められました 。1968年規則の基本三法制定には、当時の背景として、米国で管理会計の進展があったとされます 。当時米国は、大企業の多くが事業部制を採用し、各事業部に対してある程度の権限を委譲し、その結果として部門間の販売価格(transfer price:振替価格)をどのように設定するか、ということが注目されていた時代でした 。この時期以降、多くの国際取引について移転価格課税が行われていくことになりました。特に1980年代には、日米間の貿易摩擦も背景に、米国に進出した日系企業の子会社に対し移転価格調査が強化されました。

<国際的コンセンサスの展開>

1968年米国財務省規則制定の後、1977年のOECDモデル条約(9条(関連企業条項)を独立させた。)を経て、1979年OECD報告書が出されました(その後、1984年、1987年、及び1992年にも報告書が出されています。)。そして、同報告書では、米国が採用した方法と同様の方法の使用が勧告されるとともに、フォーミュラ配分方式が否定され、独立企業原則への依拠こそが二重課税排除の最善の方法であるとし、1994年の米国財務省規則と1995年のOECDガイドラインで、両者の独立企業原則に対する考え方はほぼ収斂することとなりました

1986年以降の移転価格制度等の主な歩み

1986年 米国でIRC 482条が改正され、スーパーロイヤルティ条項(所得相応性基準)を導入

日本で移転価格税制が導入される
1988年 米国で移転価格白書を公表(ミクロ経済学に基づく)
1994年 米国で1994年最終規則(財務省規則)の公表(最適方法、独立企業間レンジ、CPM、利益分割法)
1995年 OECDガイドライン (基本三法の優先、利益分割法、取引単位営業利益法)
2004年 日本で取引単位営業利益法が導入される
2010年 OECDガイドライン改訂を公表 (最適方法、事業再編)
2011年 日本で移転価格算定方法について最適法が導入される
2012年 G20財務相会合で、 BEPS問題 が深刻化しているとの危機感を共有
2014~15年 BEPS最終報告書を発表
2016~18年 OECDガイドライン改訂を公表 (DEMPE概念、取引の正確な描写、無形資産、評価困難無形資産に係る調整(米国の所得相応性基準に相当)、低付加価値サービス、CCA等)
2019年 日本で特定無形資産に係る価格調整措置(米国の所得相応性基準に相当)が導入される

Pillar 1/ Pillar 2の骨格に関する議論が本格化
2020年 OECD金融取引ガイダンスの公表
OECD Covid-19移転価格執行ガイダンスの公表
2022年 OECDガイドライン改訂 (利益分割法、無形資産、金融取引)
2024年 Pillar1/ Amount B 最終化 (日本は慎重姿勢。Amount Aは米議会の反対が強い)
2024~25年 Pillar 2 各国の本格導入

* 太字はOECDを中心とした動き

連載の振り返り(2017年9月号から)

移転価格をめぐる環境は、国際的な税制改革と各国当局の対応強化によって段階的に進化してきました。以下では、2010年代半ば以降の主要な出来事と、それに対応するトピックの推移を概観します。また、今後の展望も含みます。

1 文書化制度と移転価格コンプライアンス

文書化制度の整備 は、 BEPSプロジェクトのAction13 に端を発し、各国が移転価格税制に組み込んだ重要な変更点です。日本では2016年度改正(平成28年度)でマスターファイル及び国別報告事項の提出が義務化され、2017年度改正でローカルファイルの同時文書化要件が導入されました。この同時文書化要件により、納税者は税務申告期限までに独立企業間価格の算定根拠資料を整備しておく必要があり、未整備の場合には推定課税が可能となりました。本連載では、 「ローカルファイルの同時文書化による税務調査・争訟への影響」第3回:2017年11月 )や 「ローカルファイルの同時文書化による推定課税及び同業者調査の影響」第4回:2017年12月 )で、文書不備がもたらすリスクや調査への対応について分析しています。これらの記事では、文書化が単なるコンプライアンス作業に留まらず、将来の税務紛争を防ぐための重要な防御手段である点が強調されました。

また、日本のみならず各国で文書化ルールが厳格化された結果、 文書化の質 も問われています。例えば 韓国 では文書化不備が移転価格調査に直結しており、 文書化の重要性 を訴える声があります( 第24回:2019年8月 )。 タイ でも近年、新たなローカルファイル規定が導入され、現地実務上の対応がシリーズで紹介されています( 第63回:2022年11月 )。さらに、日本の親会社が主導して各国子会社の文書化を統括する動きも活発化しており、 「親会社主導のグローバル文書化対応のすすめ」第56回:2022年4月 )では全社的な文書化ガバナンス体制の構築が提言されました。

コンプライアンス対応 としての文書化だけでなく、 移転価格リスクの洗い出し やモニタリングも企業に求められています。税務当局は提出されたマスターファイルやCbCR、各種情報交換を通じて企業グループの利益配分を把握し、リスク評価を行っています。中国では 多国籍企業利益水準モニタリングシステム によって異常な利益率の企業を自動抽出し調査対象とする取組みが強化されており、その対象企業が急増していると報告されています( 第61回:2022年9月 )。こうした状況下、各社は文書化のみならず日頃から関連者間取引の利益水準を検証し、問題があれば自発的に調整等を行うことが推奨されます。

≪さらなる関連記事≫

第13回: 2018年9月 「ローカルファイル作成上の疑問点~TNMMを独立企業間価格の算定方法として選定したときの検証損益~」
第57回: 2022年5月 「国別報告事項(CbCR)に関するアップデート」

2 移転価格税制の変化と無形資産評価

近年、我が国移転価格税制もいろいろ変化しました。 独立企業間レンジの容認 はその代表例です。日本では長らく調査当局が1つの点にこだわる運用が行われてきましたが、2019年の通達改正で四分位範囲等の幅(レンジ)を正式に認める旨が明文化されました( 第21回:2019年5月 )。これにより、レンジ内であれば独立企業間価格から乖離しないものとして是認されることとなりました。連載では 「独立企業間価格レンジ及びレンジの中の適切なポイントの選択について」第11回:2018年7月 )が論じられています。

無形資産取引の評価 も大きな論点です。BEPS以降、 独立企業間原則に即した無形資産の帰属や評価 が厳格化され、OECDガイドラインではHTVI(Hard-to-Value Intangibles:評価困難無形資産)アプローチが導入されました。日本でも税務調査で過去に遡った知的財産ライセンス料の再評価等が行われるケースが出ています。そのため、シリーズでも 「無形資産取引に係る移転価格調査~HTVI(特定無形資産)を中心に~」第51回:2021年11月 )や 「第三者への無形資産売却に伴う関連者間対価の配分」第55回:2022年3月 )といった記事で、グループ内で無形資産を開発・移転・売却する際の適正対価の考え方が解説されています。後者では、グループ内部で共同開発した無形資産を第三者に売却した場合、売却益を各関係会社にどう按分すべきかといった問題が取り上げられ、機能・リスク分担に応じた利益配分の重要性が説かれました。

新手法として注目された DCF法 も、移転価格算定に応用されています。DCF法は将来キャッシュフローに基づく企業価値評価手法ですが、独立企業間価格の算定にも用いうるとの議論があります。連載では2019年に 「移転価格算定手法としてのDCF法」第23回:2019年7月 )が紹介され、その後、具体的な活用場面や留意点を掘り下げた 「DCF法~無形資産の価値評価における実務上のポイント解説~」第95回:2025年8月 )が掲載されています。後者では、DCF法適用時の割引率や事業計画の検証、シナリオ分析など、評価者の恣意性を排し客観性を担保するための実務上の工夫が議論されました。

その他の算定手法・論点 として、特定業種・取引における指標活用や調整も注目されました。例えば、卸売や流通分野では ベリー比率 (Gross Profit/Operating Expenses)が指標として検討されました( 第29回:2020年1月 )。また、金融関連では、 「移転価格ガイドラインへの金融取引セクションの追加とその影響」第38回:2020年10月第41回:2021年1月第43回:2021年3月 )が議論され、 LIBOR公表停止 に伴う関連者間融資利率の見直しが課題となりました( 第49回:2021年9月 )。

≪さらなる関連記事≫

第6回: 2018年2月 「転換期を迎えた無形資産取引と移転価格税制」
第14回: 2018年10月 「TPM選択における無形資産の認定について」
第18回: 2019年2月 「特許満了後の移転価格算定方法の検討における確認ポイント ~転換期を迎えた製薬業界と移転価格税制対応~」
第22回: 2019年6月 「所得相応性基準と独立企業原則」
第54回: 2022年2月 「バーチャル組織における重要な無形資産の構築と帰属利益の考え方」
第60回: 2022年8月 「移転価格事務運営要領の一部改正について」
第62回: 2022年10月 「金融取引に係る『移転価格事務運営要領の一部改正』と今後の税務調査等への影響」

3 移転価格調査・紛争解決と各国の対応

移転価格税制の厳格化に伴い、各国税務当局による 税務調査 も高度化・複雑化しています。本連載では、調査から争訟・解決までの一連のプロセスや各国の状況について、多角的に取り上げています。

まず日本では、調査手法として前述の 同時調査(法人税調査と並行した移転価格調査) が一般化しつつあります( 第42回:2021年2月 )。これにより納税者側は、調査の初期段階から自社に移転価格の論点が潜んでいるかを意識し、早めに事業部等担当部門や専門家と連携して対応策を練る必要性が高まっています。 「移転価格調査での情報・資料収集は何のためか?」第82回:2024年6月 )では、調査官が要求する情報の意図を理解し、適切に開示・説明することが円滑な調査対応につながると説かれています。また、連載では 「移転価格調査と修正申告」第75回:2023年11月 )といった記事も登場し、我が国における移転価格調査と修正申告の相性について紹介されています。また、調査に関連しては、 国税通則法上の再度の調査等 に関する規定についても重要論点です( 第5回:2018年1月第98回:2025年11月 )。加えて、 「移転価格調査インタビュー」第99回:2025年12月 )では、調査におけるインタビューでの対応次第では機能・リスクについて当局に間違った印象を与えてしまうといったリスクについても触れられています。

移転価格課税が行われ争訟に発展した場合、まずは 不服申立て(審査請求)・訴訟 や条約に基づく 相互協議(MAP) が活用されます。シリーズでは 「移転価格課税後の不服申立てと相互協議等」第94回:2025年7月 )において、我が国における不服申立て事例や相互協議の解決状況が紹介され、移転価格更正処分の相当数が相互協議で救済されている現状が報告されました。もっとも相互協議にも限界があり、解決できない場合には訴訟に移行します。我が国では訴訟にまで至る移転価格事案は多くありませんが、 「東京地裁平成24年判決(エクアドルバナナ事件)にみる寄与度利益分割法の条文解釈」第16回:2018年12月 )など重要判決の分析も行っています。

国際的には、 APA(事前確認制度)仲裁制度 の拡充が争訟リスクを下げる方向で進んでいます。特に、OECD/G20はMLI(Multilateral Instrument)を通じて仲裁条項の普及を図っており、仲裁規定を含む我が国二国間租税条約は増加中です( 第27回:2019年11月 )。連載では 「仲裁手続について」第7回:2018年3月 )で仲裁の意義や課題を解説し、また 「今後、活用が期待される多国間MAP及びAPA」第9回:2018年5月 )では、将来的な 多国間相互協議・APA の可能性が論じられています。2023年にはOECDが 多国間相互協議・APAのための覚書(MoMA) を公表し、手続きの標準化が図られましたが、本連載でも 「多国間相互協議・事前確認に関する最新動向」第77回:2024年1月 )としてフォローアップされています。

各国の移転価格調査事情も見逃せません。連載では各国・地域の特徴的な動きを紹介する記事も多く、例えば、 「活用される日印BAPAと残された課題」第2回:2017年10月 )、 「インドネシアの税務調査、異議申立、税務裁判のプロセスと現状」第26回:2019年12月 )、 「インドネシアの税務紛争解決手段について」第44回:2021年4月 )、 「タイにおける税務調査とAPA制度」第74回:2023年10月 )、 「シンガポールにおける移転価格税制及び移転価格調査の特徴」第67回:2023年3月 )、さらには連載3回にわたる 「ドイツの税務調査と移転価格の主要論点」第76回:2023年12月第78回:2024年2月第79回:2024年3月 )などが挙げられます。 中国 については、上記1の利益水準モニタリングの他、税務局が重視するリスク企業の特徴分析( 第80回:2024年4月 )や、 増値税負担と移転価格 の問題( 第8回:2018年4月 )も取り上げられました。

調査や紛争解決においては、移転価格問題の大前提についても理解を深めておくことも重要です。連載では、 「移転価格調査での取引単位~その取引単位、大丈夫ですか~」第12回:2018年8月 )、 「所得移転の蓋然性」第34回:2020年6月 )、 「OECD移転価格ガイドラインの法源性について」第66回:2023年2月 )及び 「『取引の正確な描写』(Delineation)について」第45回:2021年5月 )といったテーマで深堀りしています。

≪さらなる関連記事≫

第1回: 2017年9月 「ポストBEPS時代の移転価格調査」
第19回: 2019年3月 「移転価格における調整 ~「補償調整」「対応的調整」「価格調整」とは~」
第26回: 2019年10月 「移転価格調査の最近の動き ~Post BEPSで何が見えてきたか~」
第31回: 2020年3月 「『相互協議について』(事務運営指針)の一部改正について」
第53回: 2022年1月 「切出損益の計算」
第64回: 2022年12月 「移転価格調査の現状アップデート(ポスト・コロナ)」
第65回: 2023年1月 「連鎖取引への対応」
第81回: 2024年5月 「移転価格検証損益~コミッション取引の検証にCUP法分析が困難な場合~」
第85回: 2024年10月 「独立企業間価格による所得計算について」
第91回: 2025年4月

「国外関連者(取引)の範囲」

4 経済の大変動と移転価格 / 業界特有の問題

連載では、経済が大きく変動した場合の移転価格分析についても取り上げています。近年、世界経済はCovid-19による経済の一時的な縮小・停滞といった事態にも陥りました。そして、このような状況下において移転価格分析をどのように行うのかは大きな関心事となりました。連載では、 「著しい経済変動時の移転価格対応」第36回:2020年8月 )、 「景気後退期の移転価格分析~回帰分析を用いた差異調整方法~」第37回:2020年9月 )や、 「移転価格検証損益:コロナ禍における海外現地製造子会社の稼働率調整の留意点」第58回:2022年6月 )といったテーマが取り上げられました。また、我が国経済においては、現在、大幅な円安という問題にも直面しています。為替変動が企業間取引価格に与える影響を分析する 「為替レート変動と移転価格」第59回:2022年7月 )では、急激な通貨変動時に独立企業間価格をどう調整するかといった実務上の悩ましい問題に言及されています。現在、世界経済は、米国発の関税問題にも直面していますが、こうした新たな問題に対しても、上記のような記事は大いに参考になるものと考えています。

移転価格分析においては、業界特有の問題を知っておくことも重要です。連載では、 「消費財セクターにおける移転価格の論点」第39回:2020年11月 )や「 自動車セクターにおける移転価格の論点~自動車部品メーカーを中心に~」第40回:2020年12月 )といったテーマでも分析を行っています。

≪さらなる関連記事≫

第25回: 2019年9月

「移転価格分析における差異調整のアプローチ ~定量的に把握可能な差異~」

5 移転価格と他税制・経営判断とのクロスオーバー / 経費負担等

移転価格の問題は、他の税制分野や企業の経営判断とも密接に関連します。連載では移転価格と 関税源泉所得税寄附金課税 、さらには近年話題の グローバル・ミニマム課税 まで、広範な視点から論点提起が行われました( 第96回:2025年9月 )。

例えば、 関税 との関係では、グループ内取引価格を事後調整した場合に関税評価額への影響が問題となります。関税目的では輸入時点の価格が基準となるため、事後的な移転価格調整(金額返還や追加支払い)があった場合に関税当局が追徴や還付に応じるかが論点です。 「移転価格と関税」第47回:2021年7月 )では、この調整価格の関税評価上の位置付けや各国の制度について解説されました。

源泉所得税 も、多国籍企業間の役務提供やロイヤリティ支払に絡んで問題になります。移転価格上適正な対価として支払った金額が、受領国で源泉税課税対象となる場合、当初想定以上の税負担が発生することがあります。連載の 「移転価格と源泉税との関係」第15回:2018年11月 )では、独立企業間価格に基づくロイヤリティ設定が源泉税コストに与える影響や、サービス提供取引の取扱い(恒久的施設認定リスク含む)について議論されました。

日本独自の論点として重要なのが 寄附金課税 との関係です。調査において、国外関連者に対する所得移転が認識されつつも、当該所得移転が法人税法上の寄附金(損金不算入)と認定されるケースがあります。連載では 「移転価格と寄附金」第8回:2018年4月 )や 「クロスボーダーな寄附金課税」第92回:2025年5月 )において、我が国の寄附金税制の枠組みと移転価格税制との整合性についても論じられています。特に近年、移転価格の同時調査が増える中で寄附金認定を目指す調査も増えていると指摘されており( 第90回:2025年3月 )、 価格調整金 の問題は大きなイシューになっています( 第46回:2021年6月 )。なお、価格調整金に関しては、本誌特集記事 「各国の価格調整金に対する執行状況<上><下>」2025年6月号7月号 )で、 日本、中国、韓国、インド、インドネシア、タイ及びベトナム の各国について詳細に分析を行うとともに、同記事の執筆者である各国専門家によりWebセミナーも実施しています(P会員・R会員向け)。

また、移転価格は企業の 事業戦略 や取引形態とも深く関わります。典型例が新興ビジネスの立ち上げにおける スタートアップコスト や、市場シェア獲得のための 低価格戦略 です。独立企業原則の下では、通常、恒常的な赤字取引は不自然とみられかねません。しかし、実際には将来の利益を見据えて初期段階では赤字で販売するといった戦略が取られることがあり、それを税務当局にどう説明するかが課題です。 「事業戦略と移転価格~スタートアップコスト、低価格戦略等への対応~」第93回:2025年6月 )では、このようなケースで機能・リスク分担や将来計画を踏まえ、独立企業間価格として妥当性を示すロジック作りの重要性が説かれました。

グループ内の 人材・役務の移転 も見逃せません。例えば、親会社社員を海外子会社へ 出向 させた場合の取扱いです。出向者給与を誰が負担すべきか、負担しない場合には経済的寄附とみなされるリスクがあるか、といった問題は実務で頻繁に直面します。 「海外子会社等への出向と較差補填」第73回:2023年9月 )では、日本親会社と海外子会社との人件費負担調整(較差補填)の論点が整理され、出向者の役務提供価値に見合った適正な負担配分の必要性が論じられました。同様に、親会社社員の 海外出張コスト を現地子会社に振替えるべきか否かも論点となります( 第72回:2023年8月 )。

このように、移転価格は単に税務上の計算問題に留まらず、企業グループの経営判断や内部取引の設計、人事政策にまで関与するテーマとなっています。連載では他にも、 合弁事業(JV)における取引 や交渉の特殊性( 第33回:2020年5月第86回:2024年11月 )、 海外子会社設立費用の負担第87回:2024年12月 )、国内取引への独立企業原則適用可能性( 第68回:2023年4月 )など、多岐にわたる場面で「独立企業間であればどう取り扱うか」という視点から論じられています。

≪さらなる関連記事≫

第10回: 2018年6月 「低付加価値役務提供と付随的役務提供 ~グループ内役務提供(新事務運営指針)~」
第17回: 2019年1月 「株主活動 ~対価不要の“役務提供取引とされない活動”~」
第20回: 2019年4月 「TNMMの適用における較差補てんの取扱いに関する検討」
第30回: 2020年2月 「クロスボーダーな現物出資と移転価格税制」
第32回: 2020年4月 「国際課税原則の帰属主義への見直しに伴う外国税額控除制度の概要と実務上の留意点」
第35回: 2020年7月 「移転価格税制とその他の国際租税に係る租税回避防止措置との関係」
第48回: 2021年8月 「海外子会社の業績低迷と寄附金・移転価格」
第52回: 2021年12月 「AOAと文書化」
第69回: 2023年5月 「海外子会社からの受取り・回収が困難な事態への対応」
第71回: 2023年7月 「マトリックス/バーチャル組織と移転価格・PE問題」

6 リスク管理とコーポレートガバナンスの重要性

上記のように移転価格を巡る論点が広範囲に及ぶ中、企業側に求められるのは 全社的なリスク管理体制の構築 です。税務当局から指摘を受けて初めて対応するのではなく、平時から潜在的な問題を洗い出し、適切にリスクコントロールする コーポレートガバナンス が重要となっています。

我が国の国税庁も、大企業に対して税務リスク管理体制の充実を促す文脈で 移転価格コーポレートガバナンス(TP Corporate Governance:TPCG) の整備を推奨しています( 第50回:2021年10月 )。TPCGとは、企業内における移転価格ポリシーの策定、文書化・モニタリング、社内教育、経営陣への報告体制など、一連のガバナンスを指します。シリーズ記事では、これを単なる内部統制ではなく、対税務当局への 信頼獲得 につながるものとして位置づけ、しっかりしたガバナンス体制の企業ほど税務調査で信用が得られやすい点を解説しています。

移転価格リスクの評価も 不可欠です。どの取引にどれほどのリスクがあるのか、定量・定性の双方から把握しておく必要があります。 「移転価格リスクとその内容」第83回:2024年7月 )では、移転価格リスクの捉え方(モデル)が紹介されました。また、 「税務ガバナンスを通じた移転価格コントロバーシー対応の高度化」第70回:2023年6月 )では、全社的な税務ガバナンスの中に移転価格リスク管理を組み込み、経営層を含めた意識共有と迅速な対応プロセスを構築することが提言されています。

具体的な対策例としては、定期的な 社内トレーニングやクロスファンクショナルな協議 が挙げられます。移転価格問題は経理・税務部門だけでなく、事業部門や経営戦略部門とも関わるため、社内の情報共有が欠かせません。

人材面でも、移転価格に明るい 税務人材 の育成・確保が課題となっています。国際税務全般に精通しつつビジネス実態も理解できる人材は市場でも希少であり、シリーズの 「企業に求められる税務人材とは」第88回:2025年1月 )では、デジタル時代に対応できる専門性とコミュニケーション能力を備えた人材像が議論されました。社内での育成だけでなく、外部専門家との連携やネットワーキングも有効でしょう。

このように、移転価格問題への備えは技術論だけでなく 組織的な対応力 が鍵となります。ガバナンス強化と人材育成によって、将来起こり得る当局とのコンフリクト(Controversy)を未然に防ぎ、あるいは適切に対処できる企業体質を作ることが、長期的には競争力強化にもつながるといえます。

7 今後の展望~移転価格を取り巻く課題と未来~

最後に、今後の移転価格を取り巻く環境変化と課題について展望します。国際課税のルールは大きな転換期に差し掛かっています。BEPSのPillar1(デジタル経済)とPillar 2(グローバル・ミニマム課税)についての議論がそれです。ただ、今後の議論については、米国政治の状況にも大きく依存するため、そのモニタリングは欠かせません。

Pillar 1 Amount B は幅広い企業に関係します( 第84回:2024年9月 )。Amount Bでは、マーケティング・流通活動に対し定型的なリターン(利益率)を国際的に共通する安全枠として設定するものです。我が国では未だ制度導入されていませんが、販売子会社などについて簡便な利率適用が可能となり、移転価格文書化や調査の負担軽減が期待されます( 第97回:2025年10月 )。他方で、一律の利率水準が実態に合わない企業には不満が残るかもしれず、完全に紛争が無くなるわけではないでしょう。また、Amount Bの適用範囲外の取引や、無形資産・高リスク取引などについては引き続き個別検証が必要となります。

国際協調と競争 も展望の一部です。OECD主導の基準統一が進む一方で、各国が自国の課税権を確保すべく独自ルールを保持・強化する動きもあります。例えば ブラジル は長年OECD基準と異なる独自の簡便法を採用してきましたが、ついに2022年にOECD基準への移行方針を決定し、2024年から新制度を施行する見通しです( 第89回:2025年2月 )。これは国際調和に向けた前進ですが、一方で インド中国 のように独自色を維持する国もあります。将来、各国のアプローチの差異がどこまで埋まるかは不透明であり、企業側は主要国の執行動向を継続的にモニタリングする必要があります。

技術革新も移転価格の未来に影響します。データ分析やAIの活用で、税務当局は リスク評価 をますます高精度に行うでしょう。前述の中国のモニタリングシステムはその一例で、AIによる異常検知が行われています。日本や他の国でも、膨大な企業財務データや申告情報を横断分析してハイリスク納税者を抽出する試みが進むと考えられます。企業は 見えやすいリスク を減らす工夫が求められます。また、近未来的な予測としては、ブロックチェーン等を用いたリアルタイムの取引検証や、標準化された電子文書化が義務化される可能性も考えられます。

企業にとっては、 持続可能なグローバル税務戦略 を構築することが喫緊の課題となります。移転価格のみならず、Pillar 2(グローバル・ミニマム課税)対応や各国のローカルルールへのコンプライアンス、そしてそれらを統合的に管理するためのシステム投資も必要と考えられます。近年は税務ガバナンスが経営課題として認識され始め、トップマネジメントが関与するケースも増えてきています。移転価格問題はグローバル企業に普遍的な課題であり続けており、適切なリソース配分と意思決定が不可欠です。

エピローグ

本稿では、TP Controversy連載の99回の記事を振り返りつつ、移転価格税制の過去から未来への流れを総括しました。過去10年の動向を見ると、国際的な取組み(BEPSやPillar 1・2)が各国の制度変更を促し、移転価格の実務と紛争対応に大きな影響を与えてきたことが分かります。その中で企業は、新たな文書化要件への対応、調査手法の変化への適応、無形資産や金融取引といった難解な論点への対処など、多くの課題に取り組んできました。また、紛争解決手段も整備され、従来は困難であった問題もAPAや相互協議、場合によっては仲裁で解決できる道が開けつつあります。

しかし、移転価格を取り巻く環境は依然として流動的です。デジタル化した経済や新興国の台頭、国家間の利害調整などにより、新たな論点が生まれるでしょう。そして何より、移転価格問題は企業グループの経営そのものの在り方に関わる問題でもあるため、税務部門のみならず全社的な意識づけが必要ではないでしょうか。

「Controversy(論争)」という言葉が示すように、移転価格税制は解釈や適用を巡って常に議論の的になります。しかし、適切な理解と準備があれば、決して恐れる必要はありません。本記事が、読者の皆様にとって過去の流れを再確認し将来への指針を得る一助となれば幸いです。各企業が健全かつ持続可能な税務戦略の下、国際的にも公平で合理的な利益配分を実現していくことを期待して、本稿を締めくくりたいと思います。今後とも、TP Controversy Reportをどうぞよろしくお願い申し上げます。

TP Controversy Report

2017年 〈1〉 ポストBEPS時代の移転価格調査
〈2〉 活用される日印BAPAと残された課題
〈3〉 ローカルファイルの同時文書化による調査、争訟への影響
〈4〉 ローカルファイルの同時文書化による推定課税及び同業者調査の影響
2018年 〈5〉 移転価格に関する再度の調査 ~「新たに得られた情報」とは(通則法74条の11⑥)~
〈6〉 転換期を迎えた無形資産取引と移転価格税制
〈7〉 仲裁手続について
〈8〉 寄附金と移転価格 ~中国増値税の親会社負担~
〈9〉 今後、活用が期待される多国間MAP及びAPA
〈10〉 低付加価値役務提供と付随的役務提供 ~グループ内役務提供(新事務運営指針)~
〈11〉 独立企業間価格レンジ及びレンジの中の適切なポイントの選択について
〈12〉 移転価格調査での取引単位 ~その取引単位、大丈夫ですか~
〈13〉 LF作成上の疑問点 ~TNMMを算定方法として選定としたときの検証損益~
〈14〉 TPM選択における無形資産の認定について
〈15〉 移転価格と源泉税との関係
〈16〉 エクアドルバナナ事件(東京地裁平成24.4.27)にみる寄与度利益分割法に係る条文解釈
2019年 〈17〉 株主活動 ~対価不要の“役務提供取引とされない活動”~
〈18〉 特許満了後の移転価格算定方法検討の確認ポイント ~転換期を迎えた製薬業界~
〈19〉 移転価格における調整 ~「補償調整」「対応的調整」「価格調整」とは~
〈20〉 TNMMの適用における較差補てんの取扱いに関する検討
〈21〉 移転価格課税に四分位レンジが認められたことによる懸念事項
〈22〉 所得相応性基準と独立企業原則
〈23〉 移転価格算定手法としてのDCF法
〈24〉 韓国における移転価格調査 ~文書化の重要性~
〈25〉 移転価格分析における差異調整のアプローチ ~定量的に把握可能な差異~
〈26〉 移転価格調査の最近の動き ~Post BEPSで何が見えてきたか~
〈27〉 日米条約改正議定書がようやく発効(仲裁規定)
〈28〉 インドネシアの税務調査・異議申立・税務裁判のプロセスと現状
2020年 〈29〉 ベリー比の適用について
〈30〉 クロスボーダーな現物出資と移転価格税制
〈31〉 「相互協議について」(事務運営指針)の一部改正について
〈32〉 国際課税原則の帰属主義への見直しに伴う外国税額控除制度の概要と実務上の留意点
〈33〉 合弁会社(国外関連者)との取引
〈34〉 所得移転の蓋然性
〈35〉 移転価格税制とその他の国際租税に係る租税回避防止措置との関係
〈36〉 著しい経済変動時の移転価格対応
〈37〉 景気後退期の移転価格分析
〈38〉 ガイドラインにおける金融取引セクションの追加とその影響(1)金融保証取引
〈39〉 消費財セクターにおける移転価格の論点
〈40〉 自動車セクターにおける移転価格の論点
2021年 〈41〉 ガイドラインにおける金融取引セクションの追加とその影響(2)キャッシュプーリング
〈42〉 移転価格同時調査下での対応の留意点
〈43〉 TPGにおける金融取引セクションの追加とその影響(3)キャプティブ保険会社
〈44〉 インドネシアの税務紛争解決手段について
〈45〉 「取引の正確な描写」(Delineation)について
〈46〉 価格調整金(Price-Adjustment)の実務
〈47〉 移転価格と関税
〈48〉 海外子会社の業績低迷と寄附金・移転価格
〈49〉 LIBORの公表停止と移転価格対応
〈50〉 移転価格コーポレートガバナンス(TPCG)体制の整備
〈51〉 無形資産取引に係る移転価格調査
〈52〉 AOAと文書化
2022年 〈53〉 切出損益の計算
〈54〉 バーチャル組織における重要な無形資産の構築と帰属利益の考え方
〈55〉 第三者への無形資産売却に伴う関連者間での対価の配分
〈56〉 親会社主導のグローバル移転価格文書化対応のすすめ
〈57〉 国別報告事項(CbCR)に関するアップデート
〈58〉 移転価格検証損益 ~コロナ禍における海外現地製造子会社の稼働率調整の留意点~
〈59〉 為替レート変動と移転価格
〈60〉 移転価格事務運営要領の一部改正について
〈61〉 中国における移転価格調査の強化
〈62〉 金融取引に係る「移転価格事務運営要領の一部改正」と今後の税務調査等への影響
〈63〉 タイの新規定を踏まえたローカルファイル作成の実務
〈64〉 移転価格調査の現状アップデート(ポスト・コロナ)
2023年 〈65〉 連鎖取引への対応
〈66〉 OECD移転価格ガイドラインの法源性について
〈67〉 シンガポールにおける移転価格税制及び移転価格調査の特徴
〈68〉 移転価格問題の国内取引への影響
〈69〉 海外子会社からの受取り・回収が困難な事態への対応
〈70〉 税務ガバナンスを通じた移転価格コントロバーシー対応の高度化
〈71〉 マトリックス/バーチャル組織と移転価格・PE問題
〈72〉 海外出張コストの対価回収と税務調査
〈73〉 海外子会社等への出向と較差補填
〈74〉 タイにおける税務調査とAPA制度
〈75〉 移転価格調査と修正申告
〈76〉 ドイツの税務調査と移転価格の主要論点 その1
2024年 〈77〉 多国間相互協議・事前確認についてのメモランダム
〈78〉 ドイツの税務調査と移転価格の主要論点 その2
〈79〉 ドイツの税務調査と移転価格の主要論点 その3
〈80〉 中国税務局が移転価格リスクと捉える企業の特徴
〈81〉 移転価格検証損益 ~コミッション取引の検証にCUP法分析が困難な場合~
〈82〉 移転価格調査での情報・資料収集は何のためか?
〈83〉 移転価格リスクとその内容
〈84〉 Pillar 1 利益Bへの実務対応と最新追加ガイダンス(6月17日)の概要
〈85〉 独立企業間価格による所得計算について
〈86〉 最近の移転価格調査 ~合弁会社取引は歪むのか?~
〈87〉 海外子会社設立に係る費用負担
2025年 〈88〉 企業に求められる税務人材とは
〈89〉 ブラジルの移転価格税制アップデート
〈90〉 価格調整金の調査(寄附金)
〈91〉 国外関連者(取引)の範囲
〈92〉 クロスボーダーな寄附金課税 ~移転価格課税との比較~
〈93〉 事業戦略と移転価格 ~スタートアップコスト、低価格戦略等への対応~
〈94〉 移転価格課税後の不服申立てと相互協議等
〈95〉 DCF法 ~無形資産の価値評価における実務上のポイント解説~
〈96〉 移転価格税制と他税制との関係 ~消費税、源泉所得税、グローバル・ミニマム課税等~
〈97〉 Amount Bをめぐる移転価格実務の新局面 ~標準化と現実の狭間で~
〈98〉 国税通則法を巡る現状 ~区分同意及び再度の調査(裁判例を含む)~
〈99〉 調査での移転価格インタビュー

2026年

〈100〉 移転価格問題の“これまで”と“これから”

【編注】上記の連載はすべて『国際税務データベース』で「月刊誌 → 連載一覧」からご覧いただけます(P会員・R会員・読者会員)。


1 矢内一好『国際課税と租税条約』18-19頁(ぎょうせい、1992)

2 Mitchell B. Carroll, Allocation of Business Income: The Draft Convention of the League of Nations, 34 Colum.L.Rev.,473(1934).

3 Id.at 473.

4 独立企業原則の歴史についての詳細は、竹内茂樹『移転価格の法理』152-156(中央経済社, 2025)をご参照ください。

5 望月文夫「移転価格税制における独立企業原則の成立と論点」経営学研究論集21回106頁(2004)

6 望月文夫『日米移転価格税制の制度と適用』216頁(大蔵財務協会, 2007)

7 望月・前掲注6)137頁

8 望月・前掲注6)137頁

9 Marta Pankiv, Contemporary Application of the Arm’s Length Principle in Transfer Pricing, Volume 6 European and International Tax Law and Policy Series, IBFD, 55(2017).