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インドの移転価格課税とPE課税の最新動向(前編)
デロイト トーマツ税理士法人 河瀬 哲弥
庄子 雄基
山川 博樹
( 104頁)
1.インドの移転価格税制・PE課税の基礎
(1)インドの移転価格税制の概要
インドの移転価格税制 1 は、制度的枠組みはOECD移転価格ガイドライン(以下、OECDガイドライン)に沿って設計されているものの、運用面においては強いローカル色が前面に出るという特異な構造を持つ。とりわけ、関連者の定義、移転価格算定方法の選択、独立企業間レンジの取扱い、そして文書化義務の運用に関しては、OECDガイドラインの理念を部分的に援用しながらも、独自の重いコンプライアンス遵守負担と争点形成を招いている。また、移転価格課税やPE課税についてもインド国内法の射程が広く、日印租税条約との間にしばしば緊張関係を生じさせており、課税権の帰属や利益配分に関する紛争は絶えない。本稿では、インドの移転価格税制について体系的に整理する。
■ 関連者の定義:インドの移転価格税制では、AE(関連者)を広範に定義しており、一方が他方の経営...




