[全文公開] 国際税務の英単語 de minimis test(デミニマス要件)
公認会計士・税理士 佐和 周
本連載は、国際税務でよく使う英語をピックアップして解説していくものですが、今回も 前回 に引き続き、グローバル・ミニマム課税(各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税)に関する用語です。
前回 お伝えしたとおり、移行期間CbCRセーフ・ハーバー( Transitional CbCR Safe Harbour )には3つの要件があり、そのいずれかを満たせば、その所在地国のグループ国際最低課税額( Jurisdictional Top-up Tax )はゼロとされます。具体的な要件は、①デミニマス要件( de minimis test )、②簡素な実効税率要件( simplified ETR test )、③通常利益要件( routine profits test )の3つということですが、今回はこのうち「デミニマス要件」という用語を選びました。英訳すると、 de minimis test です。
前回 少し触れましたが、 de minimis はラテン語で、「些細な」という意味です。本連載でいうと、タックス・ヘイブン対策税制(CFC税制)における「少額所得除外基準」を de minimis rule と訳しましたが、意味合いとしてはそれと同じです。
①デミニマス要件を充足するためには、シンプルにいうと、その構成会社等の所在地国に係る適格CbCR( Qualified CbC Report )上の収入金額( Total Revenue )が1,000万ユーロの円換算相当未満であり、かつ、税引前当期利益の額( Profit(Loss)before Income Tax )が100万ユーロの円換算相当未満である必要があります。これが de minimis と判断するための基準ということですね。
ついでに残り2つの要件についても簡単に解説すると、②簡素な実効税率要件については、まずは Simplified ETR というものを計算し( ETR は Effective Tax Rate の略で「実効税率」という意味です)、それが(年度により異なる)15%~17%という Transition Rate (経過税率)以上であれば充足できます。意味合いとしては、それくらいの税率であれば、ちゃんと計算しても基準税率は割り込まない(割り込んでも大したことはない)という感じだと思います。
また、③通常利益要件については、シンプルにいうと、その構成会社等の所在地国に係る適格CbCR上の税引前当期利益の額を実質ベースの所得除外額( Substance-based Income Exclusion )と比較するものです。すなわち、前者が後者以下であれば、この要件を充足できます。




