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トランプ関税を違法とした連邦最高裁判決とそれに伴う還付手続

 弁護士 南 繁樹¹

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1 本稿の目的

米国連邦最高裁判所(以下「 連邦最高裁 」という。)は、2026(令和8)年2月20日、国際緊急経済権限法(International Emergency Economic Powers Act. 以下「 IEEPA 」という。)を根拠とする中国、カナダ及びメキシコに対する国別関税(以下「 フェンタニル関税 」という。)及び貿易赤字解消のための関税(以下「 相互関税 」という。)を、同法が大統領に与えた権限を逸脱するものとして違法である旨の判決を下した(以下「 本判決 」という。) 。本稿は、本判決の概要を簡潔に紹介した上で、本判決に伴う還付の手続を述べるものである。なお、末尾「 7 4月20日運用開始のCAPEについて 」において、還付手続に関し、2026(令和8)年4月17日時点の最新情報を記載した。

2 本判決の概要

(1)事実

トランプ大統領は、①カナダ、メキシコ及び中国からの違法薬物の流入と、②「大規模で継続的な」貿易赤字という二つの外国からの脅威に対応するため、IEEPAに基づいて、大統領布告(Presidential Proclamation)及び大統領令(Executive Order...