2020/05/14 10:00
月刊「国際税務」の連載『グローバル税務ガバナンスの向上を目指して~あるべき「機能・組織」と「人材育成」~』では、2020年2月号から企業によるグローバル税務ガバナンスへの取り組み状況をご紹介しています。
4社目は三井物産株式会社様です。これまで登場していただいた製造業様との対談とは異なるグローバル税務ガバナンスへの取り組み方をお聞きすることができました。
「グローバル税務ガバナンスの向上を目指して~あるべき機能・組織と人材育成~」
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三井物産株式会社様の具体的な取り組みの一部をご紹介
『企業対談:三井物産株式会社』目次 ▼税務部のあるべき姿・機能 1 商社のビジネス・税務感覚 2 グローバル税務ガバナンスの取り組み 3 税務リスク管理 ▼人財育成・教育 4 人事評価(KPI) 5 人事ローテーション 6 税務人材の教育体制 |
▼税務部のあるべき姿
1「商社のビジネス・税務感覚」
本連載では,はじめて「総合商社」に登場していただきます。まずは,貴社の事業展開と事業の特徴についてお聞かせください。 |
○事業を立ち上げ,成長させていく
水谷謙一氏:総合商社ということで,非常に幅広く事業を展開させていただいています。事業分野は,大きく分けて「金属」,「機械・インフラ」,「化学品」,「エネルギー」,「生活産業」,「次世代・機能推進」の6つに括られます。事業内容ですが,以前は「物流」が中心でしたが,現在はどちらかというと「事業投資・事業経営」に軸足を置いています。世界中の情報が集まる特性を活かして,有望な事業を見つけ,そこに資金を投入し,事業経営を行うようになっています。
商社の事業の特徴は,「自らビジネスを創造し,プロジェクトを立ち上げ,事業として成長させる」ことです。メーカーの皆さまは,自社の商品をお持ちですが,商社にはありません。自分たちでビジネスの種を見つけるところから始まりますので,どこでプロジェクトが始動するかはまちまちであり,税務についてもプロジェクト・事業ごとに個別に対応していくという難しさがあります。
○事業部において利益を「税引後」で管理~「税」への意識が浸透
前田謙二氏:次に,会社全体の「税務意識」についてお聞かせください。以前,他の商社の方と話をした時に,各事業部が利益を「税引前」ではなく,各種税を差し引いた「税引後」で管理しているという話を聞きました。貴社ではどのように管理していますか?
水谷謙一氏:弊社では「税引後利益」で管理しています。また,営業キャッシュ・フローから運転資本の増減の影響を除いた「基礎営業キャッシュ・フロー」も業績管理指標にしています。
事業部で投資を行う際には...
続きは本誌にて
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他社の情報、他社との交流の場を提供します!
企業の税務担当者様からは、「自社の状況しかわからないため、他社の取組み状況が大変参考になる。その際、重要となるのは何をしているかだけでなく、『〇〇に向けて、□□の行動をとり、その結果の△△の成果を得た』という具体事例だ」とよくお聞きします。
国際税務研究会では、今回ご紹介したような誌面上で展開する企業対談だけでなく、コミュニティとして運営している少人数の情報交換会「パートナーシップミーティング」へのご参加を通して他社状況に触れていただき、新たな気づきや、抱えている課題解決の糸口を見つけることに繋がればと願っています。
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