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絶対まねてはいけない会計不正 正しい経理を行うために知っておくべき不正事例 第3回 売上計上の不正は、会計不正の王道?

 公認会計士・税理士 久保 直生
 公認会計士・税理士 髙木 伸浩
 弁護士・公認会計士 牧江 真弥
 公認会計士 鈴木伽奈子

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今回は、売上計上に関する会計不正を取り上げます。売上の増加は利益の増加に直結するため、売上計上に関する不正を行う動機は、多かれ少なかれ全ての企業に存在します。過去に起こった会計不正の多くは、売上の過大計上(例えば、売上の架空計上や先行計上)であり、売上計上に関する不正は、会計不正の王道とも言えます。今回は実際に起きた事例をもとに、その防止策及び発見策も見ていきます。なお、売上計上に関する不正の典型として、循環取引がありますが、こちらについては別の回で詳しく解説いたします。

1 売上関連の会計不正の発生状況

まず、売上関連の会計不正がいかに多く発生しているかを確認してみましょう。日本公認会計士協会の...